【緊急・地震】障害者が避難したら―障害者や乳幼児連れのひとへの配慮を

車いすとそれを押すひと

2016年4月14日の夜、熊本で起きた地震ですが、その後も震度6強の余震が頻発、遅れて本震がやってくるなど、非常に危険な状態が続いています。また、阿蘇山の噴火活動との関連も懸念されるところです。避難されている方は、非常に不安な毎日をお過ごしのことだと思います。

私自身の体験から

かくいう私自身も、21年前に起きた阪神・淡路大震災で被災しました。当時私は、激震地区と言われていた神戸市東灘区に一人で住んでいました。私は、車イスは使っていませんでしたが、肢体に障害があり、歩行が困難です。

目の前に避難所となっている小学校がありました。そこに行くと、たまたま近所に住んでいた精神障害者の知り合いと出会いました。彼は、「こんなところで障害者は避難できないよ」と私に言いました。避難所である小学校の体育館やトイレには段差があり、たしかに使いづらいものであるとわかりました。また彼は、体育館の雑然とした様子に、こころが休まらないようでした。

同じ避難所では、校庭で配給が行われていたものの、その伝達は声によるものでした。耳が聞こえないと思われる避難者を目撃したのですが、どうやらその人には情報が伝わっておらず、配給を待つ行列に並ぶのが遅れたのです。その結果、その人の直前でその回の配給が打ち切られてしまいました。

さらに、知的障害のある知り合いは、軽い認知症のあった母親と一緒に近くの小学校へ避難したのですが、同じ避難所にいた人から、「家が完全につぶれていないなら、避難所から出ていって、自宅に帰りなさい」ということばを浴びせられました。

これとまったく同じようなことが、5年前の東日本大震災でも繰り返されてしまったのです。障害者にとっては、やっとの思いで避難所に着いたと思いきや、こうした心ないことばをなげかけられたり、あるいは、そこに障害者が避難しているということが忘れさられるのです。

あなたのまわりにこんな方がいたら

避難所には、いろいろな人がいます。そのなかには、普段から生きづらい人たちがいます。地震などが起これば、その人たちはさらに生きづらくなるわけです。もちろん、地震は誰の身にもふりかかってきますが、とくに高齢者、子ども、妊婦を含む女性、それに障害のある人にとっては、震災における被害があからさまなかたちで出てくるのです。

東日本大震災の後、DPI女性障害者ネットワークという団体が、避難所における障害者、とりわけ女性障害者について、どのように対応してほしいかをまとめました。これはこちらで見ることができますが、最初のまとめの部分を、転載しておきます。より具体的な支援のあり方は、上記に書いてありますので、ぜひご覧ください。

避難所などでの障害がある人への基礎的な対応
あなたのまわりにこんな方がいたら

・障害がある人は、「かわいそう」な人や、自分では何も判断ができない人ではありません。その人の年齢にふさわしい態度で接して下さい。

・障害がある被災者は、一般的な情報があっても、危険に対して理解・判断しにくく、危険に対して適切な行動が取りにくい状況に置かれがちです。

・外からみても分からない障害もあります。不思議と思われる行動をしている人がいたら、正面から「困ったことはないですか」等、話しかけて下さい。そして、その人の希望とペースに合わせた手助けをして下さい。

・障害のある女性は、ふだんから情報が届きにくく、声をあげることがさらに難しい、ニーズを出しにくい立場におかれています。

・介助や補助が必要な人や呼吸器をつけている人などのなかでも、特に女性は、生きる優先順位を自分でも低めがちです。平時の社会でも、人工呼吸器の装着が必要になった場合、女性のほうが男性より、呼吸器をつけて生きることを選ぶ人の割合が低いというデータがあります。

・女性の身の回りの介助、とくに着替え・トイレ・入浴は、女性による支援を徹底して下さい。

上記のページには、「障害のある人も、人によって、個性、言語、国籍、セクシュアリティ、宗教など、一人ひとり異なっています。そのことを十分に念頭において下さい」とも書いてあります。全員が被災しているなか、なかなかそのようなことを念頭におくことは難しいかもしれません。少なくとも、「お互いを人として尊重しあう」ということを第一にしつつ、なんとかこの災厄を処してほしいと、こころより願わずにはおれません

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