お金に困ったら、生活保護を!

机のうえのバスケットの中にパンなどの食べ物

 みなさん、突然ですが、お金が底をつきてきそうになったら、どうしますか?
 えっ? 働く? その通り、だと思います。
 でも、いまの世のなか、そんなに働き口ってないですよね。あったとしても、アルバイトやパート、それに契約社員のような非正規雇用(ひせいきこよう)が多いのではないでしょうか?
 それで暮らしいていければよいのですが、毎日食事をして、家賃を払って、そんなこんなで年金や保険料も払えないかもしれないですよね。
 そんなときにお勧めしたいのが、生活保護(せいかつほご)という制度です。

誰でも、お金に困っていればもらえます

 生活保護って、特別な人たちがもらっていると思っていませんか? たしかに、シングルマザーの人たちの世帯や、病気や障害などで働けない人たちも、この制度を利用した生活を送っている人が少なくありません。それは、母子世帯で、あるいは病気や障害によって、働くことから排除された生活を送らざるを得ないからです。それにひきかえ、「私は働けるし年齢も若いのに」とは思う必要はありません。なぜなら、若くても、働くことができても、最低限の収入さえ得て働くところがないのですから、それだけで十分、あなた自身も働くことから排除された生活を送らざるを得ないと言えるのです。
 

生活保護には、無差別平等(むさべつびょうどう)という原則があります。これは、どういう人であれ、お金に困ってさえいれば、生活保護に関する法律が定める最低限度の金額がもらえる、ということです。あなたが働いていたとしても、その最低限度の金額以下しか収入がないのであれば、最低限度に届くように、生活保護費が支給されるのです。働いていても、生活保護は受給できます。むしろ、働いて得た蓄えがない若いうちに生活保護制度を使っておくのはよい考えかもしれません。もちろん、年齢に関係なく「お金がない」という一点で、どなたでも使える制度ですので、年配の方もご安心ください。


 
また、世帯に高校生以下の子どもがいる場合、筆記具やノートなどの学用品費、遠足や社会見学などの教育費にあてる金額や、学校が指定する教材代や給食費などが支給されます。さらに高校の場合には、通学に必要な自転車購入費、防犯登録料、駐輪場代、自転車の修理費、通学定期券の購入費なども生活保護から支給されます。

散らばっている色鉛筆

働いていてももらえます

 上でも書きましたが、生活保護制度は働いていても、給料が低いなど低収入であれば利用できます。ただし、条件があります。それは、収入が生活保護の基準額を下回るということです。

 あなたの世帯の収入+生活保護費=生活保護の基準額

 となるように、生活保護費は支給されます。生活保護の基準額は、世帯人数、地域、年齢などによって異なってきます。たとえば、東京23区にお住まいの一人暮らしの35歳の方でしたら、厚生労働省のホームページ(1)で概数を試算すれば、生活扶助81300円、住宅扶助が上限53700円支給されます。つまり、135000円を上限とする金額が、生活保護の基準額になります。言いかえれば、単身で東京23区内にお住まいで、月収がそれより低いならば、生活保護制度を利用する権利があるのです。世帯人数、年齢、住居地によってこの基準額は変わってきますので、厚生労働省や支援団体(2)のホームページを確認してみてください。お住まいの管轄(かんかつ)の役所や福祉事務所にたずねてみるのもよいでしょう。

生活保護はあなたのいのちを守るものです

 その他、いろいろ細かいルールはあるのですが、生活保護はあなたのいのちを守るための制度です。生活保護法の目的は、最低限度の生活の保障とともに、あなたの自立をサポートすることです。その前提として、あなたのいのちは当然守られなければなりません。もしあなたが、いま、身を切り削ってまで働いていても、あるいは逆に、仕事がないという理由で、生活していくだけの賃金保障が得られないのであれば、生活保護制度の利用をぜひ考えてみてはいかがでしょうか。国は、私たちそれぞれが生きることを保障しています。そのために、生活保護という制度があるので、私たちは堂々と使ってよいのです。国には、あなたが生きることを支える義務があるのですから。

まとめ

 働いたり、年金を受けたりしていて、一定の収入があっても生活保護は受けられます。その場合、生活保護の基準額から、収入金額を差し引いた残りの額が生活保護費として支給されます。
 若くても生活保護は受けられます。むしろ、貯蓄のない若いうちに利用してよい制度であると言っても過言ではないと思います。
 病気でなくても生活保護は受けられます。基準となるのは病気の有無ではなく、生活に困窮しているか、していないかなのですから。
 生活保護というと、どうしても暗いイメージが沸いてしまうかもしれません。たしかに、生活が困窮しているわけですから、あまりハッピーな状態であるとは言いがたいかもしれません。しかし、お金のことで悩むことが減るならば、生活保護はひとつの選択肢としてじゅうぶんにあり得ると思います。生活保護をひとつのステップにして、生活の基盤を整えていくという道も、私はアリだと思っています。

★大変わかりやすいパンフレット「あなたも使える生活保護 「実はすこししんどい」あなたへ」(日本弁護士連合会) (無料相談先リストあり)

(1) 生活扶助基準額について
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/dl/seikatuhogo03.pdf
また、住宅扶助について
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000030047.pdf

(2) NPO法人もやいなど。また、もやいの生活保護に関するページはぜひご覧になっていただければと思います。たいへん有用です。

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