5分でわかる、香り高き政治ポエマーの世界とその楽しみ方(1)

ピンク色の本を仰向けになって読む金髪女性

15+の皆さんはじめまして。僕はヘンテコな趣味の数ならちょっと自信があります。その中でも、この夏ぴったりのモノをご紹介します。

珍プレーヤーたちのポエムバトル

選挙が近くなると、いろいろなメディアに著名人やプロのライターさんが2秒で嘘と分かることや、政治談義の形を借りたポエム をネットに上げる現象が起こります。  

社会人としての信用を賭けてリリックを書く姿はさながら即興のラップバトル。人々に興奮と笑いをもたらす為に闘う彼らに目が離せません。  

今年はロックフェスに参戦できそうもなかったのですが、インターネットにもっと楽しいお祭りが待っていました。

政治ポエムはワインによく似ています。最初はどれも一緒に感じられ、「おいしい人」だという事が分かるまでに時間がかかることがあります。
しかし知識がついてくると彼らの珍プレーがいかに輝きを放っているかが理解できるようになります。
新しい現代アートの楽しみ方として世の中に提案したい。

グラスに赤ワインが注ぎこまれている

今回は珠玉の1本をご紹介します。

『選挙に行かないあなたには、日本が他の国に行って戦争をする国になっても文句を言う権利はない』-中島聡
http://m.huffpost.com/jp/entry/10736836

タイトル通り、選挙に行かなかった人は全員政治に文句を言う資格はないからね。という内容のものです。

実に香ばしいです。記事のタイトルだけで極上のアロマを感じられます。僕は政治ポエムのテイスティングは初心者ですが、皆さんと味わいながら解説してゆきますね。

リズム&権力

選挙に行かないあなたには、日本が他の国に行って戦争をする国になっても文句を言う権利はない

のっけからなぜかグイグイ脅してきます。幾つになってもB-Boyイズムを失わない強いスタンスで読者を盛り上げます。

Bboyが路上でブレイクダンス

また、自信がない時ほど極端なことを言うのは政治ポエムでは基本のテクニックです。さすがベテラン。基礎がしっかりしています。

その後、8回も太字で繰り返す「権利はない」はただ韻を踏んでいるだけなので内容に大差はありません。自分が政治についてあんまり興味がない事を強調しているだけです。

さて、ではなぜ中島さんが知識はおろか興味もないのがわかるのでしょうか。

日本の政治制度は、選挙以外で政治に文句を言う資格も、権利も、方法もあるんです。ふつうに国が認めてるんですね。

「選挙以外 政治参加」で検索するとすぐ出てきます。

例えばコチラ。
[ 陳情 ]
陳情したらこうなった体験集
陳情の方法

[ デモ活動 ]
デモの意義とやり方

[憲法21条1項に基づく無届け抗議]
学生による国会前の座り込み(直接行動)
無許可のデモへの弁護士の見解

[ いっそあなたが政治家をやる ]
25才のニートがたった8000円で選挙を戦った話

ぱっとググっただけでもこんなにあります、政治に文句をいう方法。
選挙だけじゃ物足りない、もっと政治に参加したいという方、それぞれ一長一短あるんで自分にできそうな方法を選んでみるといいと思います。

話を戻しますね。
これらを踏まえると、この中島さんは

「政治に興味をもって選挙に行かねえと、被選挙権(立候補)、憲法が定める請願権(陳情)、集会の自由(デモ活動)、表現の自由(抗議行動)を、この俺が認めねえ!

と言っている事になります。

なんということでしょう。
僕らが知らないだけで、日本は中島さんが支配者なのでした。
選挙後お前らどうなっても知らんぞ、と言っていた真の意味はこれだったのです。

総務省によると去年の参院選の投票率は52.6%だったので、投票率がもしこのままなら、開票結果が出た翌日の7月11日、国民の半数が死刑囚ばりに権利を剥奪されることになりかねません。この歴史的な悲劇は後の人々に711と呼ばれるでしょう。

リテラシーを持つということ

…と。もちろんこのおじさんにそんな力も、悪気もないんです。政治に興味がなかっただけで。

きっと誰かの書き込みに影響されてイイコトを書いてる内にバイブスが高まり、良くわからない分野のことを書いた記事なのに、見直しもせずにアップしてしまったのだと思います。他人が言った事を鵜呑みにして、よく考えないで発言することをリテラシー(読解記述力)がない、リテラシーが低い、リテラシーに欠けると言います。

花の咲く草原で水色の帽子をかぶった女性がつばに手をやっている poem の文字

具体的な事実やデータに基づかない政治経済の話は、その時点では根拠がなく、書いた人の『こうだったらいいなー』という願望でしかありません。僕はそういう記事を「フリースタイル」「短冊」「ポエム」と呼んでいます。

Windows95を作ったITの世界のトッププロである中島さん、政治のことになると途端にググれば2分で済む分析を怠り、ラッパーとしてデビューした姿は感動的なまでにチャーミングです。

若いひとに投票に行って欲しいという熱い情熱と、選挙が近いから楽してなんかかっこいいこと言いたいという承認欲求が芳醇なハーモニーが織りなす、まろやかな香りの政治ポエムです。じつに、じつに芳ばしい…。

またこのような記事に出会いたいものです。
ではまた!

結論

  1. 選挙以外でも政治に参加できる。
  2. 書いたものは見直した方がいい。

CC BY-NC-ND 4.0 This work is licensed under a Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivatives 4.0 International License.