数のかぞえかた(その1) 多い・少ない

木の上に色とりどりのビー玉5つ

みなさん、紅白玉入れってごぞんじですか?
 えっ? そうそう、運動会などで行われる、紅白の高いカゴをめがけて赤い玉、白い玉をそれぞれ投げ、どちらがカゴに入った玉が多いかをきそう競技です。
 そのときに、どうやって勝ち負けを判断していたか、覚えていますか?

赤玉43個、白玉41個、赤組の勝ち?

 もちろん、赤いカゴに入っている玉と、白いカゴに入っている玉を数え上げて、「赤玉43個、白玉41個で、赤組の勝ち」というところもあるでしょう。しかし、私が知っている方法は、これとは違います。赤玉と白玉を同じ数だけ手に持ち、太鼓をドーンと鳴らした瞬間に、カゴのなかから空に向かって放り出すという方法です。

 競技中は、1つでも多く玉をカゴのなかに入れようと必死でカゴめがけて玉を投げます。競技終了後、両方のカゴを降ろして、そのなかの玉がどちらが多いかを比べるわけです。そのとき、カゴそれぞれから3個なら3個、同数の玉を持って、太鼓の合図でカゴの外に放り出します。これを繰り返すわけです。ときどき、玉の個数を少なく持ったり、わざとタイミングをずらしたりして、自分の組を勝たせるひきょうな人がいましたけどね(笑)。そして、最後にカゴのなかに玉が残ったほうが勝ちになります。カゴのなかに玉が残るということは、元に入っていた玉の数が多かったということです。
 これ、どうして勝ちがわかるのか、考えたことがありますか? 赤が何個入ったか、白が何個入ったかわからなくても、どちらが勝ったのかはわかってしまいました。
 いったい、どうしてなのでしょうか?

青いイスと白いイス 白いイスの上には茶色の猫

「対応させる」ということ

 これは、個数、つまり数(正確には自然数)の、同じものであれば過不足なく対応させることができるという性質を使っています。つまり、紅白玉入れの例で言えば、玉が多い色が余るという性質を使っているわけです。運動会などでは、時間短縮のために、3個なら3個、5個なら5個ずつ玉を放り投げますが、原理的には赤1個と白1個とが対応するわけです。ちなみにこうした対応のことを1対1対応などと言ったりします。
 赤玉と白玉が同時になくなったのであれば、ちょうど過不足なく同じ数であるわけですから、「この勝負、引き分け」となりますね。

なかみがわからなくとも

 この紅白玉入れのように、玉の個数じたいがわからなくとも、玉どうしの対応をつけることができれば、どちらが多いか、少ないか、あるいは同じかを判断することができるのです。これは、数というものの大きな特徴であると言えます。これと同じ理屈で、たとえば、多くの人と多くのイスがあるとき、イスのほうが多ければイスが余りますし、人のほうが多ければイスに座れない人が出てきますよね。
 こんなふうに、なかの個数がわからなくとも、数の多い少ないはこのような対応をつけることで、わかってしまうのです。これは、「数えられない」ものの個数を「数える」ときに、大いに威力を発揮します。それについては、もう少し先でお話しする機会があれば、することにいたしましょう。(つづく)

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