数のかぞえかた(その2) 全体は部分より大きい?

青地に地球、すべてに数字が円形に並んでいる

 前回は、数のかぞえかたについて書きました。数字を使わなくとも、1対1対応という考え方で、2種類のものの数の大小を比べることができました。今回も、この方法が活躍しますので、「1対1対応ってなんだっけ?」と思われた方は、前回のページを見ておいてください。

偶数の集まりは自然数の集まりの一部分

 みなさん、自然数ってご存知ですか? そう! あの「1、2、3、…」というものです。直感的におわかりかと思います。1122も60037も自然数ですが、5.1や0.05は自然数ではありません。自然数には終わりがない、つまり無数にあることが知られています。
 次に、偶数って覚えていますか? ご名答! 「2、4、6、8、10…」ですね。2で割り切れる数のことです。109は2で割り切れないので、偶数ではありません(奇数です)。それにたいして、2016は偶数です。偶数もまた、無数にあります
 ここで、少し考えてみましょう。偶数もまた、自然数ですよね。何を当たり前なことと思われる方、そうです、当たり前ですよね。自然数は、偶数と、偶数でない奇数とでできています。自然数は、奇数と偶数とが交互に並んでできる数の列であると言ってもよいでしょう。
 したがって、偶数は自然数の一部である、と言えます。すべての偶数は、自然数でもあるのです。たとえば606という偶数は、自然数でもあります。一方で、7や19のように、自然数の集まりには入っているが偶数の集まりには入っていない数も存在します。

自然数の集まりは偶数の集まりよりも大きいの?

 だとすれば、みなさん、次のように考えたくはなりませんか?

自然数の集まりのほうが、偶数の集まりよりも大きい。

 しかも、ちょっと気が利く方なら、「2倍大きい」と言いたくなるのではないでしょうか? 「全体は部分よりも大きい」のだから、自然数の集まりのほうが大きいでしょう、そう考えたくなるのではないでしょうか?
 では、調べてみましょう。前回述べた「1対1対応」を使うことにします。
 

 1という自然数には、2という偶数を対応させます。
 2という自然数には、4という偶数を対応させます。
 3という自然数には、6という偶数を対応させます。
 ………

 あれ? あれあれあれ? 対応…していますよね?!
 この方法で行くと、18という偶数に対応する自然数は9、1088という偶数に対応する自然数は544、おお、対応しています! 一般的に言って、nという自然数に、2nという偶数を対応させるとき、この自然数から偶数への対応関係は、1対1対応になっているのです。
 自然数と偶数との間に、1対1対応の関係がある以上、自然数の集まりと偶数の集まりとは、大きさは等しいと考えるのが筋が通っているようです。
 「全体は部分より大きい」、破れたり!
 どうしてこんなことが起こるのかと言えば、それは自然数も偶数も無数にあることが原因なのですが、それについてはまた機会があれば今度お話しすることにしましょう。

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