空色のバックに羽のようなもの、その上に水滴1つ

「私、死んじゃったんですか」
 

23歳の新米僧侶、海生(かいせい)が葬儀デビューを果たしたその夜、亡くなったはずの女子大生が現れた。おそるおそる尋ねる海生。「…碕沢さんですよね?」「はい」「…お亡くなりになりましたよね?」「やっぱりそうなの?」
 

 白岩玄(しらいわ げん)の小説『空に唄う』(河出文庫)に描かれるゆうれいは、あまりゆうれいっぽくない。この世にうらみを残して化けて出たどころか、自分が死んじゃったことさえよくわかっていない。しかも、碕沢さんは、とても美人だ。
 
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